ヘタクソなやつはいつまでたっても、どうせ大して上手くなりません。

いい加減夢見るのやめれば?

そろそろ現実見て、もう上手くなるの諦めたら?

 

 

…なんてことが言いたいのではありません。

バスケは何歳からでも、いつからでも上手くなることが可能です。

それも今までの自分とは比べ物にならないほどのスピードで。

 

 

バスケが上手くなりたい!

上手くなって周りの奴らを見返してやりたい!

このまま補欠、下手なやつで終わりたくない!

 

そんな向上心を持っている選手の声がネットを見るとたくさん転がっています。

 

色んなバスケサイトで

 

  • どうやったらシュートが入るようになりますか?
  • 相手を抜けるようになりますか?
  • ディフェンスが上手くなるコツは?

 

みたいな文章が溢れかえっていて。

 

上手くなりたいっていうのがヒシヒシ伝わってくる。

 

上手くなりたいってことは決して悪いことじゃない。

向上心があって、下手な自分から変わりたいって気持ちが溢れてて。

 

けど、その何が何でも上手くなりたい!っていう結果への執着・固執が。

あなたの上手くなるスピードを下げている原因になってるかもしれません。

 

上手くなるという結果を一度手放す。そこから距離を置く。

一旦、上手くなることを諦めるんです。

 

 

上手くなりたい→何で上手くなれないんだ…

 

上手くなりたいと思うこと。

 

それは裏を返せば、今の自分のレベルを認められないということです。

 

シュートが決めれない自分。

パスをカットされる自分。

ドリブルで仕掛けても止められる自分。

 

自分ができないことが許せない。

もっと高いレベルのプレーがしたい。

 

でも、現実の自分はそんな理想の自分とはかけ離れている。

そのギャップを何とかして埋めたい。

 

いろいろ情報を集めて、考えて、試して。

それでも上手くいかない。

 

何でおれは上手くなれないんだ?

どうしておれにはできないんだ?

 

上手くなりたいという欲が強いほど、上手くいかなかったとき反動で

自分に対する苛立ち、挫折、焦り、失望、無力感。

 

こういったネガティブな感情が押し寄せてきます。

 

 

僕も

 

どうしてもバスケが上手くなりたい。

上手くなることを諦められない。

 

そう考えながらバスケをしてたときはいいプレーができませんでした。

 

ミスを必要以上に減らそうとして無難なプレーしかできない。

上手いやつ相手に1対1で勝ってやろうとか意識して周りが見えなくなって最適な判断ができない。

焦っているから、冷静さを保てなくなる。

 

 

上手くやろうとしすぎる。

今の自分以上の力を出そうとする。

 

気持ちが空回りしてミスが増えて。

なんで上手くなれないんだと自分に苛立って。

更にプレーの精度が落ちて。

 

上手くなることに執着してたときはホント苦しみながら、

もがきながら、イライラしながらバスケやってました。

 

それが長い間続いて。

しんどかったし、辛かった。

 

 

俺はセンスも才能もない、ただの凡人だ。

 

上手くなることにこだわりすぎてバスケをするのが苦しかった。

 

もうこんなしんどい思いしながらバスケしたくないって思いました。

 

 

そんなとき、ふっと糸が切れたというか、張り詰めてたものが消えたというか。

 

なんで好きでやってるバスケなのに、こんなに苦しい思いしながらやってるんだろう?

 

ていうか上手くなりたいって思って、それで簡単に上手くなれたらだれも苦労せんわ。

センスがあって才能がある天才のやつはそうかもしれんけど。

 

自分なんてセンスもないし才能もない、ただの凡人。

どれだけバスケに打ち込んだところで、どうしても限界はある。

 

 

凡人なのに自分が今持ってる力以上のことしても、そりゃ上手くいかんし苦しいわ。

 

もう今の自分の力を認めよう。

別に上手くなれんでもいいから、今自分にできるプレーを楽しんでやろう。

 

そのとき、そう感じて。

 

上手くなることを諦めた。

上手くなりたいって欲を捨てた。

 

自分は頑張っても大したことができる選手じゃないと見切った。

 

 

欲が判断を鈍らせる

諦めることで今まで見えなかったものが、見えるようになってきました。

 

別に上手くならなくてもいい。

ただ、バスケっていうゲームを遊んで楽しめばいい。

目の前のプレーに集中するだけでいい。

成功しても、ミスしてもどっちでもいい。

 

 

そう思うことで色んなところに余裕が生まれるようになって。

 

バスケのことをずっと考えていた時間が減って、読書や音楽を聞く時間、

友達や女の子と遊ぶ時間が増えた。

 

肉体的にも精神的にも疲労が取れてリフレッシュできるようになって。

 

毎回の練習に新鮮な、フレッシュな気持ちで取り組めるようになりました。

練習量も減って、疲れてない身体が動く状態でプレーしてるから

キレやスピードも上がっていいプレーができたり。

 

 

上手くプレーする必要がないから余計な力み、焦りがなくなって。

 

周りがよく見える。

常に色んな選択肢を視野に入れながらプレーできる。

相手にプレッシャーをかけられても余裕をもって動ける。

緩急が生まれて、体力を浪費せずに効率的な動きができる。

 

 

諦めること。

見切ること。

捨てること。

手放すこと。

 

 

上手くなりてえ!ってガツガツ、ギラギラした気持ちでバスケするんじゃなくて、

スーっと心が落ち着いた、クリアな気持ちでバスケできるようになって。

 

それまで見えなかったものが見えるようになった。

余裕が生まれることで、いいプレーがクリエイトできることに気づいた。

 

今の自分以上の力を出そうとするのとは逆の発想、視点。

今の自分を認める、自分はたいしたことないと諦める。

 

そういうマインド、考え方になって初めて見えてくるものがある。

諦めることでプラスになることもたくさんある。

 

上手くなりたい!っていう欲が焦りを生み、冷静さや余裕を奪う。

イライラして最適な判断ができなくなる。

 

 

女の子と付き合うときも「好きオーラ」「付き合いたいオーラ」を

出しまくってガツガツしすぎたら驚くほどモテないのと一緒。

 

 

それを諦めることで、消す。

 

諦めて、見切って、手放すという哲学。

 

ここから学んだことは今でも僕の生きていくうえでの信念になってます。

 

 

「諦めない」より「諦める」に価値がある。

 

  • 諦めるな!
  • 苦しいことやしんどいことがあってもやり抜け!
  • 成功するまで続けろ!

 

世間では諦めないことが美徳とされます。

 

しかし、僕は諦めることのほうが難しく、また価値があるものだと考えています。

 

「いやいや、諦めるって逃げること、辞めることじゃん」

「そっちのほうが諦めないことよりも簡単じゃん」

「結局、最後に勝つのは諦めない人間でしょ」

 

と、あなたは思われたかもしれません。

 

しかし、そうではないんです。

 

諦めるということは自分の弱さを認め、等身大の自分を見つめること。

そのうえで自分のやるべきことを見つけ出すことです。

 

為末大さんを知っているでしょうか?

 

彼はもともと100mをやっていました。

しかし、世界を見据えたとき、そこでは勝てないと悟り、

400mハードルへと転向しました。

 

100mのほうが花形種目です。

そこを諦め、ハードルという自分の勝てる場所を見つけ出したからこそ、

彼のその後の活躍があります。

 

 

自分の弱さを認める。自分の欲を手放す。

これはなかなかできることではありません。

 

誰だって自分の弱さを見たくないでしょう。

 

がんばっていることに結果が出ていなかったら、自分を

正当化するために「もっと頑張るぞ」って諦めないでしょう。

 

 

自分、ちゃんと見えてますか?

 

僕は以前、おれが点をとってやる。

おれの活躍でチームを勝たせてやる。

そのためには個人技を徹底的に磨かないといけない。

 

そんなギラギラした欲に身を任せてプレーしていたときがありました。

アイバーソンのような、ウェストブルックのようなプレーがしたい!

脇役みたいな選手よりも主役になりたい。

 

しかし、その欲が強くなればなるほど。

 

自分自分になって周りが見えないからパスを捌けずターンオーバー。

強引に突っ込み、無理やりシュート打って外してチームメイトからは不信感が溢れる。

 

しかし、自分がチームを勝たせるような選手になりたいから。

そのミスは俺が上手くなるために必要なものだという自己中思考で正当化。

 

 

 

…ようやく僕は気づいたんです。

 

自分はアイバーソンのようなプレースタイルを目指しても結果は出ない。

それができるほどのセンスなんか持ってない。

自分の弱さを認め、エゴに走ることをやめないとチームの雰囲気が悪くなるだけ。

 

 

そこから僕は周りにパスを出すようになりました。

おれが点を取らなくてもいい。チームの誰かが取ってくれればいい。

 

すると、プレーの精度が大きく上がったんです。

 

アシストが増え、無理なシュートが減ってシュート率が上がり。

ターンオーバーの数は減った。

自分が攻めるオーラを出してないから相手に読まれにくくなった。

 

味方からもナイスパス!という声が増えて、それが気持ちよくて。

 

 

自分が行く、自分が上手くなるという欲を諦めたから。

プレーのレベルが上がり、諦めてなかったら出せなかった結果が出た。

 

 

諦める=現実の自分を受け入れる

あなたは何としても上手くなりたくて。

上手くなりたくてたまらなくて。

 

色んな情報をかき集めて、たくさん練習して。

バスケに自分の時間をつぎ込んでいるのでしょう。

 

それは素晴らしいことです。

自分の限界までバスケに打ち込むことで得られることもいっぱいあります。

 

しかし、その欲望や熱はコントロールしなければなりません。

諦めることによって。

 

 

その欲が焦りやイライラの原因になる。

判断力を鈍らせる。

自分も周りも見えなくなる。

何をすれば本当に結果につながるのか、他の選択肢が見えなくなる。

 

 

しかし、諦めることができれば。結果に執着しなくなれば。

平常心が保たれる。

自分の弱さを認めることができる。

自分と周りが見えるから、本当は何をすればいいのかが分かる。

だから、結果につながる。

 

 

諦めないというのはキツイ言い方をすれば、

 

今の自分、現実の自分から目をそむけ、理想のイメージに固執し、

結果の出ない努力を正当化する自己満足にしかすぎません。

 

本当に自分がやるべきことが見えなくなります。

やりたいことにしか目が行かず、やるべきことが見えなくなります。

 

 

諦めるというのは思った以上に難しいです。簡単ではありません。

 

現実の自分を見つめ、弱さを認めて地に足をつけ。

クリアな目で自分が本当に何をするべきかを欲を押さえて考え抜くことだからです。

 

 

諦めることで得られる結果・成果。

気づけること、見えるようになるものは。

 

諦めないときよりも遥かに大きいです。

 

諦めることにこそ、価値があるんです。